独自ドメインとVPSで、静的サイトを公開する手順
アプリの紹介ページやプライバシーポリシーは、自分のドメインで公開しておくと信頼されやすくなります。広告を使うなら、app-ads.txt を置く場所としても必要です。この記事では、独自ドメインとVPSで、静的サイト(HTMLとCSSだけのサイト)を公開する流れを説明します。私が実際に行った手順をもとにしています。
全体の流れ
- 独自ドメインを取得する
- VPS(自分専用のサーバー)を用意する
- DNSで、ドメインをサーバーに向ける
- Webサーバー(Caddy)を入れる
- ファイルを送って、表示を確認する
使うのは、Debian 12 のVPS、Caddy、そして手元のPCから使うSSHとSCPです。
1. 独自ドメインを取得する
ドメインは、ドメイン販売サービスで取得します。年額の費用がかかり、「.com」「.net」などの種類によって金額は違います。購入時は、所有者情報の公開を代行してくれる設定(WHOIS代行)をオンにしておくと、自宅の住所や電話番号が公開されません。
2. VPSを用意する
VPSは、さくらのVPSなどで借ります。月額は、小さなプランなら数百円から千円台が中心です。最新の料金は公式で確認してください。OSは、情報が多い Debian や Ubuntu が初心者には扱いやすいです。
最初に決めておきたいのは、ログイン方法です。パスワードではなく「SSH鍵」でログインする設定にすると、安全性が上がります。秘密鍵とパスフレーズは、誰にも見せず、チャットやメールにも貼らないでください。
3. DNSで、ドメインをサーバーに向ける
ドメインの管理画面で、「Aレコード」を追加します。名前に「@」(ドメイン本体)や「www」「blog」などのサブドメイン、値にサーバーのIPアドレスを入れます。
名前: @ 種類: A 値: (サーバーのIPアドレス)
名前: www 種類: A 値: (サーバーのIPアドレス)
設定が世界中に反映されるまでには、数分から数時間かかります。反映の途中は、表示が不安定になることがあります。
4. Caddy を入れる
Caddy は、HTTPS(鍵マークのついた安全な通信)の証明書を自動で取得して更新してくれるWebサーバーです。設定が短くて済むので、初心者向きです。サーバーにSSHでログインして、Debianの場合は、公式の手順どおりに次を実行します。
sudo apt install -y debian-keyring debian-archive-keyring apt-transport-https curl
curl -1sLf 'https://dl.cloudsmith.io/public/caddy/stable/gpg.key' | sudo gpg --dearmor -o /usr/share/keyrings/caddy-stable-archive-keyring.gpg
curl -1sLf 'https://dl.cloudsmith.io/public/caddy/stable/debian.deb.txt' | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/caddy-stable.list
sudo apt update
sudo apt install caddy
手順は更新されることがあるため、実行前に Caddy の公式ドキュメントも見比べてください。
5. サイトの設定をする
公開用のフォルダをつくり、Caddyの設定ファイル(/etc/caddy/Caddyfile)に、次のように書きます。
sudo mkdir -p /var/www/mysite
# /etc/caddy/Caddyfile
example.com {
root * /var/www/mysite
file_server
}
「example.com」の部分は、自分のドメインに置き換えます。書いたら、設定を読み込み直します。
sudo systemctl reload caddy
うまくいけば、Caddyが自動でHTTPSの証明書を取得します。事前に、サーバーの80番と443番のポートが開いていることを確認してください。VPSの管理画面側にも、通信を許可する設定(パケットフィルターなど)がある場合があります。
6. ファイルを送って確認する
手元のPCから、SCPでファイルを送ります。
scp -i (秘密鍵のパス) index.html (ユーザー名)@(IPアドレス):/var/www/mysite/
送ったら、ブラウザで自分のドメインを開いて表示を確認します。ターミナルで確認するなら、次のコマンドが使えます。
curl -I https://example.com/
「200」が返れば公開できています。
つまずきやすい点
- 表示されない。DNSが反映されていないか、ポートが開いていない可能性があります。
- HTTPSにならない。DNSが正しく向いていないと、証明書を取得できません。
- 403エラーが出る。ファイルの権限が足りない場合があります。
まとめ
ドメイン、VPS、DNS、Caddy の4つがそろえば、静的サイトは公開できます。一度つくっておくと、アプリの紹介ページやプライバシーポリシー、広告用のファイルを、自分のドメインで管理できます。アプリで広告収入を目指す理由も、あわせて読んでみてください。